Before (改善前)

摺動部品にはその摺動面が摩耗するため、その表面を保護するために硬質クロムメッキを代表とした種々の表面処理がなされています。SiCやPTFEを分散させた複合メッキ等も使用されていますが用途によっては十分ではない事もあります。

V

After (改善後)

微細なナノサイズのダイヤモンド(ND;ナノダイヤモンド)をメッキ膜に分散共析させることで耐摩耗、摺動性を持たすことができます。ナノダイヤモンドの複合メッキは相手材への攻撃性が少ないため近年注目されてきています。

POINT(要約)

摺動部品の表面にはその表面保護の観点から過去より様々な表面処理がなされています。硬質クロムメッキはすべり性や耐摩耗性において優れた特性を持っていますが、近年の環境規制の影響で使いづらくなってきています。代替技術としてSiCやPTFEをニッケルメッキに分散させた複合メッキが使用されていますが、SiC複合メッキは相手材への攻撃性が高く、また、PEFE複合メッキは高荷重環境に向いていません。ナノダイヤモンド(粒径数nm~数十nm)の複合メッキをする事で耐摩耗やすべり性がUPすることに加え、相手材への攻撃性が少ないことが分かってきたため、非常に注目されています。
注;ダイヤモンドの複合メッキは研磨用途としてヤスリ等に使用されていますが、研磨用途のダイヤモンドはナノダイヤモンドの百~千倍の粒径があって、数μm~数百μmのダイヤモンドが使用されています。