製品属性(仕様)

メッキインジウムメッキ 材質
寸法20×30 mm スペック5μm

製品画像(様子)

特徴

インジウムめっきは、その優れた物理的・化学的特性から、電子部品製造において重要な役割を果たしています。インジウム自体が持つ性質として、高い展性(叩いて薄く広げられる性質)と延性(引っ張って細く伸ばせる性質)が挙げられます。これにより、インジウムは非常に柔らかく、外部からの力や応力に対して柔軟に対応できるのが大きな特徴です。さらに、耐水性や耐アルカリ性にも優れており、厳しい環境下でも安定した性能を維持します。

現代の電子機器の心臓部であるICチップは、製造工程で様々な熱処理を受けます。ICチップ本体と、それを支える樹脂基板など、異なる素材を組み合わせる場合、それぞれの熱膨張係数の違いが問題となることがあります。熱が加わると、膨張率の差から内部に応力が発生し、特に弱い部分であるハンダ接合部にその応力が集中します。この応力が限界を超えると、ハンダにクラック(ひび割れ)が生じ、最終的には断線という致命的な故障につながる恐れがあります。

この問題を解決するため、インジウムの低融点という特性が非常に有効となります。インジウムめっきは、一般的な鉛フリーハンダよりも低い温度でハンダ付けが可能です。この低温ハンダ付けにより、ICチップやその周辺の熱に弱い部品へのダメージを最小限に抑え、熱膨張による応力発生を緩和することができます。

インジウムの柔らかく低い融点を持つ性質は、製造時だけでなく、製品が実際に使用される環境においてもその価値を発揮します。ICチップは使用中に発熱し、それに伴う温度変化は避けられません。このような過酷な温度サイクル(低温と高温の繰り返し)に晒されても、インジウムはハンダ接合部の応力を吸収・緩和するクッション材のような役割を果たします。これにより、ICチップと基板の間のハンダ接合部分にクラックが発生するのを防ぎ、製品全体の長期的な信頼性を飛躍的に向上させることができます。

インジウムめっきは、その柔軟性と低温ハンダ付けを可能にする特性により、熱応力に起因する故障リスクを低減し、高性能で信頼性の高い電気・電子製品の実現に不可欠な技術であると言えます。

納期

※ 上記、納期は図面がある場合になります。マンガ・ポンチ図の場合は、別途ご相談下さい。
※ 工場の生産状況により納期は変動いたしますので、あらかじめご了承下さい。

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Lot
価格