アルミは銅と比べて重量当たり電気伝導2倍、コスト1/2だが、注意点もある

アルミニウムの比重は2.7であり、鉄(7.8)や銅(8.9)と比べて、約1/3と非常に軽い材料です。

近年、この軽さが様々な分野の軽量化施策として注目されており、また、その電気特性についても注目されています。

アルミニウムの電気伝導率は銅の約60%です、しかし比重が約1/3である為、同じ重量のアルミニウムと銅を比較した場合には、アルミニウムの方が約2倍の電流を流すことができます。

また近年、材料価格が高騰しておりアルミニウムと銅では2~3倍の価格差があります。アルミニウムは安価である為、製造費をコストダウンすることができます。

例えば、大手電力会社では配電線を銅線からアルミ線へ変更や、大手空調機器メーカーでは熱交換機の材料を銅からアルミニウムへ変更するなどが行われています。(2022年)

このようにアルミニウムは非常にメリットの多い材料ですが、導電体として使用する際には気を付けなければならないことがあります。

アルミニウムを使用する上で、気を付けなければならないこと

アルミニウムは先述の通り電気伝導性の高い材料ですが、通常アルミ表面は強固な酸化被膜に守られています。その為、実際には表面抵抗が高くなってしまうという実態があります。また、この酸化被膜により溶接やハンダ付けなどの接合がしにくいという材料でもあります。

しかし、これらはメッキを施すことにより酸化被膜の影響を受けにくくなります。

例えば、ニッケルメッキやスズメッキ、銀メッキや金メッキなどを施すことにより接触抵抗値を低減させ、溶接やハンダ付けを容易に行うことができるようになります。

まとめ

アルミニウムは安価で電気伝導性に優れた材料として注目を浴びています。しかしながら、アルミニウムの表面は強固な酸化被膜で覆われており、抵抗値の上昇や接合などへ悪影響を与えています。

ですが、これらはメッキすることにより酸化被膜が除去され、目的に合った使い方ができるようになります。

メッキ.comでは電池部品を多く手掛けています。銅やアルミニウムは電極・集電体としても利用されており、それらへのメッキ処理も多数の実績があります。

アルミニウム材や銅材へのメッキについてはメッキ.comまでお問い合わせください。

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