コネクタ・端子などに使用されるバネに適したメッキ

コネクタや接点端子に多用される銅材が入手困難!?

此の程、銅が入手困難となり価格が高騰しています。銅は電気伝導性や熱伝導性に非常に優れており、さまざまな電気・電子部品に多用されています。

特に、電子・電気機器や自動車、情報通信機器などで非常に多く利用されているコネクタやコンタクト、ターミナル部品に数多く使用されているリン青銅は材料の供給が間に合っていない状況が続いており、価格も高騰しています。材料が入手できなければ、コネクタやコンタクト、ターミナルなどの製品を製造することができません。(2021年現在)

バネにメッキはなぜ必要!?

接点部品の金メッキ加工事例

リン青銅やベリリウム銅、黄銅(真鍮)は、バネ用非鉄材料として多く利用されています。これらの銅合金ばね材料は、経時変化により次第に酸化、変色、サビてしまい、抵抗値が大幅に上昇してます。これらを抑制する為に、メッキは非常に重要な役割を果たしています。

バネの用途に合わせて適切なメッキを施すことで、変色やサビを大幅に抑制し接触抵抗値の上昇を抑えます。さらに、メッキは様々な性能を向上させることができます。例えば、ニッケルメッキを施すことで、防錆効果を付与するだけでなく、耐摩耗性を向上させ、接点としての耐久性を向上させます。他にも、高い電気伝導性を求めて、金メッキや銀メッキが施されるなど、用途に合わせて適切なメッキを施すことは製品性能を飛躍的に向上させる重要な因子になります。

ばね材には、鉄鋼や銅、ステンレス、その他、様々な合金が利用されています。素材が硬くなるに従って、水素脆化(水素を吸蔵し脆くなる現象)を引き起こしやすくなる可能性がある為、ベーキング処理(熱処理)を行う必要が出てきます。また、硬い素材のものはメッキでも水素を吸蔵することがあります。しかし、同様にベーキング処理(熱処理)により水素を強制的に放出させることができるとされています。

コネクタ・端子に使用するバネのメッキ代表的な用途
ニッケルメッキ防錆・ハンダ付け・溶接性・耐摩耗性・硬さ
スズメッキハンダ付け・防錆
金メッキ電気伝導性・ボンディング性・装飾
亜鉛メッキ防錆・装飾

まとめ

バネにメッキを施すことで、変色やサビを抑制するだけでなく、ハンダ付け性の向上や耐摩耗性の向上など2つ以上の効果を同時に得ることができます。

メッキ.comではコネクタやコンタクト、ターミナルなどのメッキを数多く手掛けており、リン青銅やベリリウム銅に対しても多くのメッキ実績があります。メッキは素材と表面処理のマッチング性や、その製品が使用される用途によって適切な条件を決める必要があります。これらは長年の経験と知識が非常に重要となります。メッキ.comは半世紀以上に渡るメッキの経験と知識から製品に適したメッキをご提案させていただきます。

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コネクター めっき種類の選定ポイント

コネクタに使用されるメッキの選定ポイントについて説明しています。なぜ、その組み合わせがいけないのか。理由も解説しています。