前回にも述べましたが、メッキは素材により処理方法が異なります。

素材により適切な処理方法を選択する必要があり、難メッキ素材と呼ばれる素材は処理が複雑化します。

今回はアルミニウムへのメッキについてです。

 アルミニウムへのメッキ工程は特殊で、他の素材にメッキができる工程を持っていてもアルミニウムにはメッキ出来ないということがあります。

その理由としては、アルミニウムという金属が持つ化学的特性が挙げられます。アルミニウムは両性金属である為、酸性溶液にもアルカリ性溶液にも溶けてしまいます。

最初の工程は脱脂から行いますが、脱脂に使用する薬剤は一般的にアルカリ性の物を使用していることが多く、アルミニウムを浸漬すると溶けてしまいます。そこでアルミニウムを脱脂する際には、リン酸ソーダ系の中性またはそれに近い脱脂剤を使用します。

次に、アルミニウム表面は強固な酸化膜に覆われており、この酸化膜が無い状態でメッキを行わなければ密着の良いメッキ皮膜は得られません。これを解決する方法の一つとして、亜鉛置換処理が行われます。
表面の酸化被膜を除去すると同時に亜鉛で覆ってしまいます。置換処理をしなければ、酸化被膜が再形成してしまいます。

そうしておいて、初めて目的のメッキを行うと密着性の良いメッキを得ることが出来ます。

アルミニウムへのめっき

アルミニウムへのめっき

 

アルミニウムの品番によっては、酸化被膜除去工程では溶けないシリカなどの合金成分が溶け残り、綺麗なメッキ被膜にならない場合があります。しかし、これら品番のアルミニウムに対しても綺麗に処理する方法があります。

詳しくはメッキ.comまでお問い合わせください。

今回はこれで終わりです。