メッキ業者が知る真実 無電解ニッケルメッキでも電気ニッケルメッキが必要⁉

無電解ニッケルメッキでも電気ニッケルメッキが必要
無電解ニッケルメッキは電気を使用しないメッキじゃないの?
確かに、無電解ニッケルメッキ自体は電気を必要としないメッキです。しかしながら、メッキ処理する母材によっては希望するメッキが無電解ニッケルメッキの場合でも、下地に電気ニッケルメッキをする必要があります。
無電解ニッケルメッキなのに電気ニッケルメッキをする理由
無電解ニッケルメッキは化学反応によってメッキ膜が成長していきます。無電解ニッケルメッキはニッケル自身が触媒となり連続反応を起こすことで継続的にメッキが成膜していきます。しかしながら、母材によっては反応がスタートしない為、いつまでもメッキが成膜しません。
例えば、銅材の場合、そのまま無電解ニッケルメッキ処理をしようとしてもメッキ処理がスタートすることはありません。このような場合には電解ニッケルメッキを施してから、無電解ニッケルメッキ処理する必要があります。
また、母材がステンレスの場合には直接、無電解ニッケルメッキを行うと不動態皮膜により密着不良の原因となってしまいます。その為、無電解ニッケルメッキの前に、ステンレス対応の電気ニッケルメッキ処理することで、密着性の良好な無電解ニッケルメッキを施すことが出来ます。
無電解ニッケルメッキの均一性は大丈夫⁉
「無電解ニッケルメッキする目的は均一なメッキをすることなのに、電気ニッケルメッキをするとメッキ膜厚がバラつくじゃないか」と心配に思われるかもしれません。しかし、心配には及びません。電気ニッケルメッキをするといってもゼロコンマ数μmレベルの厚みで十分です。化学反応の起点となるニッケルがあれば反応が進むので、メッキ膜厚に大幅な影響を与えるものではありません。
それでも気になる方には、電気ニッケルメッキを施さずに、直接、無電解ニッケルメッキを施す方法もあるんです。詳しくお知りになりたい方はメッキ.comまでお問い合わせください。
まとめ
無電解ニッケルメッキは電気を使用せずにメッキできる技術です。しかし、母材によっては無電解ニッケルメッキに至るまでの前段階で、電気ニッケルメッキなどの適切な工程で処理しなければ、無電解ニッケルメッキが反応しなかったり、密着不良になったりする可能性があります。
メッキ.comでは数多くの無電解ニッケルメッキ処理を施しております。「このような製品に無電解ニッケルメッキ出来ないか」などありましたら、お気軽に下記リンクからメッキ.comにお問い合わせください。
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