第108回 全固体電池集電体にも適した極薄金属箔へのメッキ技術と実績

全固体電池の特長

全固体電池はこれからの電池として非常に注目を浴びています。

現在開発が進められている全個体電池には、使用される電解質の材料によって主に3つに分類されます。「硫化物系」、「酸化物系」、「ポリマー・樹脂系」があり、それぞれに特徴があるため、適したターゲット製品が異なります。

電解質硫化物系酸化物系ポリマー/樹脂系
イオン伝導性非常に高い中程度〜低い低い(高温なら可)
課題製造環境 (硫化水素対策)材料の硬さ加温 (伝導性向上の為)
主なターゲットEV(車載用)、大型蓄電池小型電子機器蓄電池

電池材料には電解質の他に集電体があります。集電体には正極と負極があり、それぞれ材質が異なります。正極ではアルミ、負極では銅が主に使用されています。さらに各集電体に対して、電解質の種類や更なる電池性能向上、導電性向上の為、各電池メーカーや技術者の間で様々な処理が施されていることは少なくありません。

例えば硫化物系電解質では、負極の銅と反応して硫化銅を作りやすい性質があります。硫化銅を形成すると、抵抗が増大してしまいます。硫黄による銅の腐食を防ぐため、負極にニッケルメッキを施すことで、バリアの役割を果たします。

集電体とメッキ

集電体へのメッキは、単に腐食を防ぐだけでなく、「界面抵抗(接触抵抗)をいかに下げるか」という点でも非常に重要です。特に粉末状の電解質をプレスして固める全固体電池では、液体電池以上に集電体表面の平滑性や密着性が電池性能を左右します。

全固体電池や次世代バッテリーの開発において、集電体の厚みやメッキの仕様は、電池のエネルギー密度と内部抵抗に直結する非常にデリケートな要素です。電池は体積当たりの発電量を大きくすることが、電池性能向上に大きく貢献します。その為には電池セルを小型化・薄型化することが非常に重要であり、セル内部の集電体は極限まで薄くした金属箔が使用される傾向にあります。また、その金属箔には性能向上と量産性の高さから、表面処理としてメッキが採用されることが多くあります。金属結合による強固な密着性は、高い導電性の維持に重要な役割を果たします。

金属箔へのメッキ

金属箔は非常に薄いため、取扱いが難しい材料です。金属箔の破れやシワ等ハンドリングの難しさもさることながら、メッキ処理工程での難しさもあります。一例として、メッキ処理工程には活性化やエッチングと呼ばれる工程があり、金属基材を多少なりとも溶解します。通常であれば問題になることはほとんどありませんが、金属箔では箔が溶解し、強度が保てなくなることがあります。他にもメッキ金属によっては応力の高いものがあります。金属箔がメッキ後に応力によってカール(丸まって)してしまい、その後の製造工程に大きな影響を与えてしまいます。

金属箔へのメッキ実績

メッキ.comでは様々な種類のメッキ処理を行っており、お客様のご要望に合わせたオーダーメイドの集電体製作も可能です。特に開発フェーズでは、様々な種類のメッキを試してみたいというお声を多くいただいております。メッキ金属の種類や、単層または複層、メッキ厚み違い、材料違いなど様々なご要望にお応えします。下部に処理実績のある金属箔及びメッキをご紹介します。

基材 (箔厚)メッキ
アルミ箔 15μm銅メッキ
銅箔 10μmニッケルメッキ
銅箔 10μmスズメッキ
銅箔 10μmビスマスメッキ
鉄箔 10μmスズメッキ
銅箔  8μmスズメッキ
銅箔  8μm ニッケルメッキ
銅箔  6μm 非公開
銅箔  2μm 非公開
銅箔  2μm 3層メッキ
ニッケル箔 10μm スズメッキ
ニッケル箔 10μmビスマスメッキ
スズ箔 100μmインジウムメッキ
金属箔へのメッキ実績

他にも、多数メッキ実績があります。

金属箔とメッキの組み合わせなど、詳しくはメッキ.comまでお問い合わせください。

処理可能なサイズには制限があります。

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