メッキの特長として耐食性の向上があります。
メッキによる耐食性向上のメカニズムには自己犠牲型やバリア型など
いくつかの種類があります。
中でも、ニッケルメッキはバリア型のメッキに属しています。
バリア型のメッキではメッキ膜そのものが素地を守る役目を果たします。
ニッケルメッキでは、メッキ膜厚が厚いほど耐食性が向上しますが、
ニッケルメッキ膜の腐食電位を調整することにより、
耐食性を向上させることができます。
具体的には、二層ニッケルメッキ(ダブルニッケル)や
三層ニッケルメッキ(トリニッケル)があります。
二層メッキや三層メッキにより耐食性が向上するメカニズムとしては、
層毎に硫黄含有量の違うメッキを順番に施すことで、
ニッケル同士の層間に電位差が生じます。
ニッケル層間の電位差によって、先に卑なニッケル層が腐食されることで、
素地の金属が保護されます。
ニッケルメッキでは硫黄(S)含有量により腐食電位が変化します。
硫黄含有量が多ければ多いほど、腐食電位は低下します。
ここで、
「純ニッケルのメッキではないのか。」
「ニッケルに異元素を混ぜて処理をするのか。」
といった疑問が生じるのではないかと思います。
ですが、一般的な半光沢ニッケルメッキや光沢ニッケルメッキでは
通常、含有している元素になり、特別なことではありません。
多層ニッケルメッキによる耐食性向上について、
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