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一般的にハンダ濡れ性の良いめっきとしては、ハンダメッキ、スズメッキ、金メッキなどが良好な濡れ性があります。また、ニッケルメッキはこれらに準じた濡れ性を持っています。

以下に各メッキのハンダ特性を記します。

 

◎ハンダメッキ

スズと鉛の合金メッキになります。低融点なため、ハンダ付け時にメッキ自身が溶融し、濡れ性に関してはほとんど問題になることはありません。ハンダ付け性は特に優れているのですが、RoHS規制物質である鉛を含有するため、用途に制限があります。低融点の面では鉛ハンダには及ばないですが、現在では様々な鉛フリーのハンダが開発され実用化されています。

 

◎スズメッキ

ハンダの主成分がスズのため、なじみの良さから多用されます。ただし、鉛ハンダと比較して高融点になります。ウィスカが発生しやすく電子機器の用途には注意が必要です。

 

◎金メッキ

ハンダ目的で銅やニッケルメッキの上に極薄い金メッキ(0.1μm以下)がなされます。金メッキすることで、下地の銅やニッケルの表面を酸化から防ぎ、ハンダ濡れ性を維持します。金はハンダ付け時の温度では溶解しませんが、溶けたハンダに融解する性質があり、ハンダ内の含有率が4%を超えるとハンダが脆くなる報告があり注意が必要です。また、金メッキは高価なため電子部品など信頼性を要求される製品を除き敬遠されます。

 

◎ニッケルメッキ

SUSやアルミなど難ハンダ金属にニッケルメッキをしてハンダ性を確保したり、変色しやすい銅の外観用途に使用されたりします。特にニッケルメッキで注意しなければならないのは、表面が酸化されると酸化ニッケルの膜を形成し、これがハンダ濡れ性の良し悪しに影響します。

 

ハンダ特性は以上になりますが、どのメッキが最適かはその製品の用途に応じ、メッキ外観、機械的強度、疲労劣化、コストなど総合的に検討し、決定する必要があります。

 

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