Answer (回答)

フープメッキの工程起因による波うち不良は、以下のような要因及び対応策が挙げられます。

要因①-フープ材の送りに用いるローラーの偏芯。

原因:フープ材のメッキ加工中、ローラー自体が偏芯した状態で加工を続けた場合、片側端部にテンションが集中しその部分に材料伸びが発生する事で、波うち状の不良が発生してしまう事があります。

対策:ローラーの定期点検及び日常点検とメンテナンスなどにより、偏芯状態(傾き、膨れ、磨耗など)を防止する事が出来ます。

要因②-端部のメッキ膜厚過剰、一定位置での巻き取り。

原因:基本的な電流分布からワークに電気メッキを施す場合、電流密度が高くなるワークの端部のメッキ膜厚は厚くなり、電流密度が低い中央部はメッキ膜厚が薄くなると言う原理から、フープメッキでも端部になる部分は電流密度が高くなりメッキ膜厚が厚く、加えてメッキ後の製品巻取りリコイラーで、製品を一定の位置で巻き取る事で、メッキ膜厚が厚くなった端部の径が、より増大するため巻き取り圧力で材料伸びを起こし、波うち不良が発生する原因となってしまいます。

対策:マスキング治具(邪魔板)をフープ材の電流密度の高い端部に用いる事でメッキ膜厚を抑える事と、製品巻取りリコイラーを幅方向にスライドさせるトラバース機能を用い、一定位置で巻き取らない事で波うち不良を防ぐ事が出来ます。

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