金属地金の純度とメッキの純度

金属地金の純度とメッキへの影響

 

メッキは求める機能を持つ金属で対象物の表面を覆う処理のことです。

電気メッキでは基本的に地金金属を溶解させ、対象物の表面に金属を析出させます。

(金メッキなど地金が非常に高価な場合には異なります。)

 

メッキに於いて、その加工精度に影響を与える要素として地金の純度があります。

地金の純度が悪いと、処理液に不純金属などの異物が混入し、メッキ膜へ取り込まれる恐れがあります。

メッキ膜へ不純物が取り込まれると、メッキ膜の密着不良やザラツキ、色ムラなどの悪影響が出る可能性があります。

また、外観上問題ない様に見えても電気伝導性や熱伝導性、耐食性など本来の機能が十分に発揮出来ない恐れがあります。

 

低純度の金属地金は高純度のモノに比べ安価である為、利用されていることがままあります。

メッキ処理を行う際には、純度の高い金属地金を使用してメッキ処理する必要があります。

 

金属を混ぜることで生まれる性能

 

純度の高いメッキをする為には、純度の高い金属を使用することが必要です。

しかしメッキでは、狙って異金属などの不純物をメッキ膜に取り込ませることで、

地金単一金属では得られない、メッキ特有の機能性を付加させることが出来ます。

合金メッキもこれに当てはまりますが、一般的に合金メッキとまでは言わないまでも

微量金属を混ぜることで機能性が高まることがあります。

 

例えば、金メッキです。

金メッキは指輪やネックレスなどの装飾品に利用されます。

また、金メッキは電気伝導性や耐食性が高いために端子や接点などにも利用されています。

しかしながら、装飾品としての金メッキと端子・接点としての金メッキには違いが

あります。端子や接点として金メッキを利用する場合には、

抜き差しなどにより擦れたりする為、耐摩耗性が必要になります。

しかし、金は地金の中でも比較的柔らかい金属ですので耐摩耗性は

それほど高くありません。

 

この場合、金に微量のコバルトやニッケルなどの金属を微量に混ぜることで、

メッキでのみ得ることが出来る硬質の金メッキとなります。

これらのメッキは硬質金メッキとも呼ばれており、

電気伝導性や耐食性が高い金に、耐摩耗性という機能が付加された、

端子や接点など向いたメッキとなります。

 

まとめ

 

高純度のメッキをする為には、材料である金属地金の純度が必要です。

金属地金は国によって流通している金属の種類に違いがあり、その純度にも違いがあります。

また、正確には金属を製造しているメーカーによっても微妙にその成分が異なることがあり、

それらを証明するミルシートが存在しています。

メッキ.comでは日本で流通している地金の中でも高純度の物を使用しております。

例えば、純度が99.99%や99.9%などの地金を量産品に使用しています。

必要に応じてSDSや金属皮膜の高精度データ(ICPデータ)の提出も可能です。

また、顧客様の指定された使用禁止物質に対する不使用証明書の提出も対応しております。

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